お客様の声は「金言」、自分の声は「ひとりよがり。」

不平・不満話は耳が痛いものですが、リサーチの観点からは喉から手が出るほど欲しい情報です。

先日お弁当チェーンの営業不振に関するニュースがwebに掲載されていましたが、利用者の方と思われる方の不平・不満でコメント欄があふれていました。

ただその内容は感情的な批判ではなく、実際に食し、感じたことを具体的に書かれた内容でした。

味であったり、素材であったり、とても一般コメントの内容とは思えないくらいの「金言」でした。

このコメントに相当する情報を自力で集めようと思ったら、かなりお金をかける必要があります。それほどの良い情報でした。

サービス利用者のコメントは、情報としての価値がある

ちなみに、そのお弁当チェーンニュースのコメントを読んで気づいたことがあります。コメントの大半は 「以前より美味しくなくなった」 という意見でした。

このことから、弁当チェーン利用者は、お弁当に「味」を求めているということがわかりました。つまり、利用者はコンビニ弁当とほぼ同等の価格で、コンビニ弁当より美味しいごはんが食べられるところに「価値」を感じておられたようです。

おそらく、味より低価格路線にシフトしたために、客離れが進行したと読み取れます。

売り上げなどの数値情報だけでは、このような要因に気づくことができません。
サービス利用者の生の言葉だからこそ、情報に価値があるのです。

意見を出すのはお客様。意見を元に考えるのがお店。

成果が思わしくなかったり、結果が伴わない場合は、何かしらの「改善」が必要です。知恵を出し合って、改善方法を検討することになります。

その際に「原因の核心」を知る必要がありますが、サービス提供者の意見だけでは、「的外れ」になりやすいのは、前述のとおりです。

サービス提供者は、自分のサービスを受けることができません。
どのようなサービスなのかを実際に体験しなければ、「原因の核心」には迫れません。

だから、お客様の声を聴くことが有効なのです。
耳が痛いことが多いですが、「不満意見」は「のびしろ」です。
webマーケティング観点からは、貴重なご意見なのです。

ここで大事なことは、集まった「お客様の意見」を、そのまま改善策にしてはいけないということです。

お客様の意見を客観的に眺めていくと、一定の法則性や、お客様が求められる「価値」を知ることができます。お客様は「価値」のあるものにお金を支払われます。お店が、ちゃんと「価値」を提供できているか?もともとあった価値を無くしてしまっていないか?などが見えてきます。

原因が分かれば、改善のためのアイディアをお店で考えればよいのです。
経営するのはお店の責任であって、お客様の責任ではありません。
お客様の「金言」を情報として分析し、それを元に改善策を「考える」ことこそ、問題改善につながるのです。

問題の原因はお客様が知っています。ただ、どうすれば改善できるかは自分で考えるしかないのです。

自分の「声」とは「希望的観測」

長々と書いてしまいましたが、要は「原因を知る」→「改善策を考える」という手順を間違えないということです。

原因がわからないまま改善策を考えるのは、「あてずっぽう」です。
原因がわかっているのに、改善策を考えないのは、「行き当たりばったり」です。

人はよそ様のことは良くわかりますが、自分のことになるとわからないものです。だから、自分だけで原因を探ろうとすると、希望的観測が入ってしまうのです。

希望的観測は、「甘く」ても「厳しく」ても的外れを生み出します。
情報は客観的に。策は独創的に。
これが、改善をすすめるポイントなのではないでしょうか。

今回のレポートは以上です。
読んでいただいてありがとうございました。


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