光源を意識しながらケーキを撮ってみた。

食の撮影は、少なからず必須にな事項です。
いかにおいしそうに撮るかがポイントです。

特に光源の向きで、印象が大きく変わります。
必ずしも順光が良いといえない場合もあります。

ということで、今回は「光の向き」を気にしながらケーキ撮影に挑戦してみました。

おいしそうに見える光の向きとは?
実践しながら検証してみました。

光の向きとは?

ここで、光源について解説いたします。
外などで撮影する際に、逆光、順光といった言葉を耳にすることがあります。
太陽の光に対して、どの向きで撮影するかで、光源の位置が変化します。

今回の撮影では、以下のような8つの向きで撮影しました。

今回の光源は窓からさす太陽の光です。
光源に対し、8つの方向から撮影しました。

実際に撮影した写真がこちら

光源の向きを意識しながら、撮影してみました。

(1)順光

まずはオーソドックスに、順光で撮影してみました。

人物撮影などでは順光のほうが、顔がきれいに見えたりなど、撮影の基本となる向きです。

1/160 秒。 f/1.4 50 mm ISO 100

ケーキの表情がはっきりみて取れます。
ただ、おいしそうかどうかで見てみると、少々疑問がわきます。
判断の基準となる向きの写真です。

(2)左半順光

光源に対して斜めから撮影します。

カメラから見ると、左手前より光が当たります。

1/160 秒。 f/1.4 50 mm ISO100

ちょっと美味しそうに見えます。
光の向きが少しか変化するだけで、味わいが生まれました。

(3)左サイド光

光源に対し、90度の角度から撮影します。

商品撮影などに用いられる光の当て方です。

1/160 秒。 f/1.4 50 mm ISO 100

光の明暗がわかりやすくなりました。
でも(2)半順光のほうが美味しそうにも見えます。
光源に対して直角の方向からの撮影は今一つなのかもしれません。

(4)左半逆光

光源に対して、逆光位置からすこしずらした位置での撮影です。

独特な効果を期待するような場合に向く光の当て方です。

1/160 秒。 f/1.4 50 mm ISO 100

なにか急に美味しそうに見えだしました。
逆光位置は難しい光の当て方ですが、食べ物の場合は美味しそうに見えます。
実際、撮影技術論を調べてみると、「料理は半逆光」という解説をよく見ます。

実際に試してみると、おいしそうに見えます。

(5)逆光

光の向きに対して、反対の位置から撮影します。

風景などは大抵失敗する光の当て方です。

ケーキの場合はどうなるでしょう?

1/160 秒。 f/1.4 50 mm ISO 100

なにか味わいが深くなりました。
180度逆の順光と比べても、美味しそうに見えます。
ただ、影が多いので半逆光のほうが美味しそうです。

(6)右半逆光

(4)左半逆光の反対位置になります。

光が右側からあたります。

1/160 秒。 f/1.4 50 mm ISO 100

左側の光もよいですが、右側の光もなかなかです。
ピントが合っている分、こっちのほうが美味しそうです。

(7)右サイド光

(3)左サイド光の反対側位置になります。

右側から光が当たる構図です。

1/160 秒。 f/1.4 50 mm ISO 100

これはこれでアリです。
左からの光より、右側の光のほうが良い感じがします。

(8)右半順光

(2)左半順光の反対側位置になります。

右側からの光は良い感じに見えます。

順光ではどうなるでしょうか?

1/160 秒。 f/1.4 50 mm ISO 100

良い感じですが、光がやや強い印象も受けます。
やはり順光位置はケーキには向かない感じがします。

光の向きを変えての撮影のまとめ

8方向からの撮影をまとめた写真がこちらです。

8方向から撮影して気づいたことがいくつかあります。

  • 逆光位置撮影が美味しそうに見える。
  • 左寄り右側からの光のほうが美味しそう。

ケーキは順光にならないように撮影するとよさそうです。
これを意識しながらさらに撮影してみました。

今度は構図を意識しながら撮影してい見ました。

光の向きがわかったところで、今度は構図も意識しながら撮影してみました。
料理は全体を写すよりも、一部を写したほうが美味しそうとよく言われます。

実際に試してみました。

(1)皿欠け縦撮影

あえて皿を欠けさせて撮影すると良いという手法です。

1/200 秒。 f/1.8 50 mm ISO200

先ほどまでの写真よりグッと美味しそう感がでてきました。
構図を変えるだけで効果抜群です。

(2)皿欠け横撮影

皿を欠けさせて横向きでの撮影です。

1/200 秒。 f/1.8 50 mm ISO 200

横向きでも、一部を切り取ると美味しそうに見えます。
これも美味そうです。

(3)横側面撮影

ケーキを側面撮りしてみました。
違った表情が見えます。

1/200 秒。 f/1.8 50 mm ISO200

着目は悪くないと思うのですが、この構図はショートケーキなど、ケーキの側面が美味そうなケーキに向いているかもしれません。

モンブランなどケーキの上部が魅力的な場合は、横から撮らないほうが良いような気がしました。

(4)真上撮影

ケーキを真上から撮影してみました。

1/125 秒。 f/1.4 50 mm ISO 100

なんかすごく美味しそうです。
上からの構図はとてもよさげに見えます。

料理は光と構図でより美味しそうに見えます。

商品撮影もそうなのですが、被写体に対して、光の位置で印象が大きく変わります。

私もよく素人感写真を撮ってしまうことが多いのですが、大抵光の向きで失敗しています。

でも、きちんと光の向きを考慮するだけで、素人な私にもこのような写真が撮れました。

構図についても、全体を写す「資料写真型」よりも、一部を写す「接写」のほうが魅力的に見えました。

この2つを駆使すれば、料理写真がより美味しく撮れます。

1/250 秒。 f/1.8 50 mm ISO 200

撮影の後、美味しくいただきました。
美味しそうを感じていただけたら幸いです。

撮影技術に関する記事を以下にまとめています。
またご参考になれば幸いです。

撮影技術に関するレポート一覧

今回のレポートは以上です。
読んでいただいてありがとうございました。


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