写真は時に大きさを伝える必要があります。
商品等であれば、大きさのイメージが伝わらなくても、10cmとか50cmとか寸法を記述することでカバーできます。大抵の商品は自分の身体より小さく、イメージがわきやすいためです。
では逆のものすごく大きいものの場合はどうでしょう。
例えば10mの構造物、50mの構造物と言われてもピンときません。
身近にそのサイズの大きさのものがないためです。
大きい構造物は思ったより大きさが伝えにくいです。
今回、小矢部市の稲葉山公園に隣接する、稲葉山風力発電所の風車を撮影してみました。
まず何も考えずに撮影した写真がこちら
青空にはえる風車。
引き算の法則で撮ると、絵的に美しいです。
ただ、大きさ感が今一つ伝わりません。
公式ホームページによると、この風車の高さは65メートル、風車の直径は44メートルだそうです。
でもこの写真だと大きさはピンときません。
大きさを伝えるにはどうすればよいのでしょうか?
他の構造物と合わせて撮ると大きさが伝わりやすくなります。
近くの建物や、木、電信柱を一緒に写すだけで、巨大感が一気にでてきました。
これなら、65メートルの構造物といわれても伝わりやすいのではないでしょうか。
次の写真はどちらが良い写真でしょうか?
どちらも風車を横から撮影した同じ構図ですが、右側のほうが良い感じに見えるのではないでしょうか?
写真は引き算で余計なものを排除するほうが美しくなります。
そういう意味では、左の写真もありだと思います。
ですが、この風車を紹介する目的の写真であれば、右側がふさわしいです。
なぜなら、巨大感があるからです。
ホームページデザインでは、「何を伝えたいか?」で写真を選ぶことも大事です。
デザイン性だけを求めるならば、左の写真ですが、資料としての側面が必要な場合は右です。
要は考えながら撮ることが大事なのだと感じました。
ボツ写真だけど、巨大感を伝えるだけならばこんなのもあり
手前の建物の後ろにそびえる風車は、遠近感がありその分巨大感がでます。
こっちの写真のほうが、大きさが伝わりやすいのではないでしょうか。
ただなんというか「華」がないため完全な資料写真です。
主題の風車に対して、手前の建物、手前の電柱が主題の位置にあり、どれが主題なのかわかりにくくなったため、華がなくなった感じです。
いろんなものを加えすぎたための失敗例です。
余計な物は省くことが大事
近くに梅の花が咲いていたので、合わせて撮ってみたところ、電線が写り込んでしまいました。
せっかく良い構図なのに1本の線で台無しです。
電線がない場所を探して写した物がこちらです。
不要なものを取り除いて梅の花と風車が良い感じで写せました。
風車に梅の花を足し算。
不要な電線を引き算。
写真は本当に足し算、引き算が大事です。
邪魔な電線を活かす方法もあります。
写真に写る電線ってどうしても邪魔になりがちです。
事実Photoshopでも、電線を消すテクニックがよくあります。
だけれども、どうしても電線を消せない場合逆の発想で撮ると面白い写真になります。
電線を幾何学模様に見立てて、撮ってみました。
1本だと邪魔な電線も、数多くあると「デザイン」になります。
構図とは、ほんとに不思議なものです。
稲葉山公園は撮影の練習に良い撮影スポット
車で能越道を走っていたら、山に大きな風車が見えました。
以前から気になっていたので、今回撮影に行ってみました。
おもいのほかこじんまりとした場所で、のんびりするには良い場所です。
被写体も主に風車のみなので、いろんな位置から撮影することになったのですが、思いがけず、構図を勉強する良い機会になりました。
一つの被写体しかなかったことで、いろんなアプローチで撮影ができ、構図を変えるとどう写るのか体験できました。
一つの被写体に対し、アプローチを変えて撮影するのはほんと大事です。
ちなみに、公園内には「動物ふれあい広場」があり、やぎさんが草を食べていました。
動物も撮れる、良い撮影スポットでした。